— —

—
—
—

—
—

—
—
—
—

—
—
—

—
—

—
—

: 1: Don Mason/Corbis; 9: Bettman/Corbis; 9 lower: Bettman/Corbis;

10: LA Daily News/Corbis; 13: Reuters/Corbis; 17: Richard Cummins/Corbis.
© 2004 CCHR (CITIZENS COMMISSION ON HUMAN RIGHTS) CCHR CCHR Citizens Commission on Human Rights
Item #18905-16-Japanese
 司法を蝕む
法律を退廃させる精神医学

目次
序章:
司法の破壊 .......................................2
第一章:
法と秩序の崩壊 ..............................5

第二章:
科学か不正行為か？ .................... 11

第三章:
更生プログラムの失敗 .................15

第四章:
「専門家」の間での犯罪 ................19

第五章:
司法の回復 .....................................23

勧告 ................................................24

市民の人権擁護の会 ......................26

JUSTICE-1-15 japanese-part1.indd 1 4/8/05 3:53:11 PM

 序　論
司法の破壊
こ の 報 告 書 は 、 過 去 6 0 年 も の 間 れを凌ぎ始めています。3　1975年から2000年の間
続 い て き た 司 法 制 度 に あ る 思 想 の犯罪の増加は、フランスで97％、英国で145％、ス
に よ る 攻 撃 を 詳 細 に 調 査 し た 報 ぺインで410％です。4　スウェーデンの犯罪被害率
告 書 で す 。 こ の 攻 撃 は 犯 罪 者 に よ っ て の み は合衆国より20％上回っています。5　7つのロシア
行われたものではありません。専門的意見を の刑務所における調査は、収容者の43％が薬物を
述べ、助けたいと声高に主張をしながら、我々が 注射しており、その内、13％以上が刑務所内で、
最も深く心に抱いている大切なものを裏切り、 薬物を始めたことを示しました。6
湯水のように税金を使い、刑務所人口をどんどん 犯罪者の更生は長いこと忘れられた夢となっ
と増大させています。その思想とは、精神医学と ています。私たちはより多くの刑務所を建てれ
心理学です。 ば、抑止力として働くだろうと信じ、より厳し
　　シラキュースにあ い法律を可決します。
るニューヨーク州立大 一方、誠実な人々は、
学の高名な精神医学名 奇妙で不可解な弁護手
誉教授トーマス・サズ 段のおかげで凶悪犯が
は、このようにコメン 1940年、精神医学の指導者は、 有罪にならないように
トしています。「人に なっているのを目に
責任があるかどうかに 法律分野に介入する自分たちの意図は、 し、司法に対する信頼
ついて精神科医が検査 「善悪の考えを再解釈し、最終的には を失います。
しているという現象 　　1940年、精神医学
は、私たちの社会的情 それらをなくしてしまうことだ」と の指導者は、法律分野
景の中でよく見られる に介入する自分たちの
特色である。」 1　同時
宣言しました。 意図が、「善悪の考え
に、彼の認識は、精神 を再解釈し、最終的に
医学が「過去60年の間に はそれらをなくしてし
社会に影響を与えてき まうことである」と宣
た唯一最も破壊的な勢力である」というものです。 言しました。法律による規則、そして正当な行
　　ショッキングですか？　もちろんそうでしょ 政の機能や制度を持つ啓蒙された民主主義は、
う。しかし、とても分別があり、見識のある意見で 全体主義国家になることはありません。国 民
す。サズ博士は30冊の本を出版し、どれも世界から は、自分たちの平和と安全のために、こういっ
賞賛されています。彼は、精神医学という専門職 た制度に依存する権利を持っています。
が緩やかに、しかし着実に私たちの文化の基盤で 　　過去を振り返ると、愉悦に満ちた精神科医
ある「個人の責任、業績の基準、教育、そして カール・メニンガーの宣言が現代を予言してい
司法」という土台を崩していると主張するだけの ます。その宣言とは、ワシントンDCの連邦控訴
経験と名声を誇っています。彼が言っている肝心 裁判所による1954年度の判決は、アフリカ系ア
なところは、「精神科医たちは、自分たちが表 メリカ人の白人社会からの隔離を撤廃するという
面上処理しようと取り繕っている問題を実際に 最高裁判所の判定よりも、「その影響力はさらに
は生み出しており、それに対して責任がある」 革命的である」というものでした。彼が言及して
というところです。 いたは、精神的な欠陥のある人間が犯罪を犯して
　　1965年から2001年の間で、合衆国の18歳以 も、その責任を問わないという判定のことだった
下の暴力犯罪率は147％以上にまで増加し、薬 のです。　
物乱用犯罪は、29倍以上に増加しました。2 欧 　　この判定が引き金となり、合衆国法廷にお
州連合、オーストラリア、カナダ全体に渡る暴 ける精神医学の鑑定証言の数は一挙に膨れ上が
力犯罪率は、最近、その合衆国の値と同じか、そ り、この傾向は世界に急速に広がりました。以

JUSTICE-1-15 japanese-part1.indd 2 4/8/05 3:53:12 PM

 来、司法にしてどんどん影響を及ぼし、世界中
の法律学者、犯罪学者、そして政策の専門家を
とりこにしました。それが意図していたのは、
「革命的な影響」により、司法制度の能力に対
する大衆の信頼感を大々的に腐食させ、迅速
で、平等な司法をバラバラにすることでした。
　　メニンガーには喜ぶ理由がありました、そ
の判決から10年もしないうちに、当時の指導者
的な精神科医たち（メニンガーもその一人でし
た）が、地球規模の精神医学という戦略計画の
一環として法律分野で地位を確立しようと画策し
たのです。世界精神保健連合（WFMH）をジョン・
ローリング・リーズとともに創設したG.ブロック
・チショルムは臆面もなく、当時の同僚たちに
こう語りました。「もし、民族が善と悪という
不自由な足かせから開放されるとするなら、そ
れは精神科医のおかげである。」7
　　チショルムの宣言に応えるために、公衆保
健業務局の顧問であり、米国精神医学会会長
（APA）になろうとしていたサミュエル・ハミル
トンは、チショルムを「古代の預言者」と並び
称し、私たち全員が住まうべき「新しいエルサ
レム」を紹介しました。8 私たちは、精神医学の思想や活動が現代の失敗
　リ―ズは、臆面もなくあからさまでした。彼 している犯罪更生に加担し、犯罪率を上昇させ
はこのように述べました。「大衆の生命、政治、 ていることを証明します。
そして企業はどれも、精神医学の勢力範囲の中 　　最後に、形成を逆転するために、何
に入るべきである。もし、私たちが他の人々の が成されるべきかを提案させていただき
専門分野や社会活動に侵入するなら、私たちは ました。この小冊子の中の情報が、善意
全体主義を模倣しなければならない。そして、 と高潔さを持った人々の役に立ち、堕落
ある種の第5部隊的な活動を組織しなければなら させている法律制度の矯正を実現する
ない!　したがって、自分たちをとても密かに ために手を打つことを願っています。
『第5部隊』にしようではないか。」リーズは、 誠実で、生産的な人々とは、ほぼみなさん全員
法律や医学の分野は攻撃するのが最も難しい分野 であり、みなさんこそ多くの益を得て然るべき
であると考えていました。9 なのです。
　　そして、攻撃は開始されました。その結
果を私たちは現代の中に見ます。司法制度は瓦
解しようとしています。ですから、このこと
について認識し、この破壊的な侵入者を追放
するのは、司法制度の中にいる良心的で、
勤勉で、日増しに失望している人々の肩に
かかっているのです。 市民の人権擁護の会国際本部
　　この小冊子を読み、読者の方たちがことの 会長
起りについて理解していただければ幸いです。 ジャン・イーストゲート

JUSTICE-1-15 japanese-part1.indd 3 4/8/05 3:53:12 PM

 1
重要な事実
法廷における精神医学や
心理学の影響は、かつては
司法の確固とした基盤で

2
あった「善と悪」の区別を
腐敗させました。

精神医学的な「精神異常者の
弁護」そして、そこから派生
したものは最大規模の破壊を

3
もたらしてきました。

精神医学の「鑑定証人」は、自分
たちの依頼人の目的に合うよ
うな証言を提供することで、

4
広く批判されています。　

精神医学は（何十億ドルとい
う税金をかけていながら、）
狂気を治療することに失敗し
た科学に基づいています。
そしてこのように失敗して
きたため、裁判所において
この精神鑑定の権威として
受け入れられるべきでは
ありません。

個人の責任を否認し、善悪の概念を
否定することで、精神医学と心理学は
司法制度を歪曲しました。

JUSTICE-1-15 japanese-part1.indd 4 4/8/05 3:53:13 PM

 第一章
法と秩序の崩壊
著 名な19世紀のユーモア作家マーク・ 　もし、犯罪者が、こういった司法の原理の悪
ト ゥ エ イ ン は こ の よ う に 記 し ま し 用により、正当な裁きから逃れることができる
た 。 「 精 神 異 常 者 の 数 が 世 界 中 なら、社会が自身を守るために使える唯一の道
で 急 上 昇 し て お り 、 犯 罪 の 数 が 減 少 し て い 具が抹殺されたことになります。
る 。 以 前 な ら 、 も し 人 を 殺 せ ば 、 そ の 時 、 　トーマス・サズは自著「The Myth of Mental
正 常 で は な か っ た 可 能 性 が あ る 。 し か し 、 Illness」の中で、この点について決して妥協し
今 、 人 を 殺 せ ば 、 精 神 異 常 者 で あ る こ と は ないとし、このように述べています。「精神医
明らかだ。」 学的な思想が、刑法の施行に導入された。例え
　かつて、人は自分自身の行動に責任があると ば、精神異常という言い逃れや評価、裁判に耐
いう思想がありまし えることのできない
た。しかし、今ではこ 精神的な無能さとい
の思想は化石となって 「精神医学が科学という装飾で う診断などが、法律
しまいました。 を堕落させ、明らか
　傑出したバージニ
自らを飾り立て、 にその主題を利用し
ア州の弁護士T.ブルッ 私たちが犯罪者の責任能力を ている被告を被害者
ク・ハワードの例を取 判断する場合に用いる基準に にしているのだ。」10
り上げましょう。これ
はありふれた話です。 影響を与えようとしても、 精神異常という弁護
彼の依頼人が30歳の女 その診断を全く
性を誘拐し、9時間以 全ての刑事裁判の
上監禁しました。その
信頼することは滅多にない。」 ２％足らずにしか、
間、彼は何度もその女 精神異常という弁護
ラルフ・ファイン判事
性に性的な虐待を加え が導入されていない
ました。
「Escape of the Guilty」の著者 にも関わらず、これ
　大いなる説得力をもっ は米国や英国の刑事
て、ハワードは裁判官と 法において最も物議
陪審員に、その犠牲者が体験したもの、誘拐、心理 を醸し出し、活発に論議されている議題です。
的な拷問、そしてその依頼人が何度も行ったレイプ 犯罪者の責任という議題は、実際の刑事法にお
が、自分の依頼人の責任ではないと説明しました。 ける他のあらゆる疑問よりももっと注意をひ
その依頼人は決して、こんなことをやるつもりはな き、さらなる物議を醸し出す議題となっていま
かったし、ただそうすることを止められなかったの す。11
だと。それは「どうしようもない衝動」であったの ❚ ボストン大学の心理学と法学の講師
だと主張しました。　 マーガレット・ハーゲン博士は、精神異常という
　精神科医の奇妙な証言に基づき、その強姦者 弁護は、ほんのわずかの割合でしかありません
は釈放されることになりました。 が、「狂気が理由で無罪となった単純な事例だ

第一章
法と秩序の崩壊
5

JUSTICE-1-15 japanese-part1.indd 5 4/8/05 3:53:14 PM

 「ただ硬貨を投げたり、カードを引いたりして決めてもい
いのではないでしょうか？　目隠しして、患者が誰かもわ
からないまま選んでもいいのではないでしょうか？　
その（診断の）正確さは、3回のうち1回足らずしか
当てることができないのですから、
特に何か支障があるわけでもないでしょう…。」
マーガレット・ハーゲン博士
「Whores of the Court, The Fraud of Psychiatric Testimony and the
Rape of American Justice」の著者　1997年

け見ると、この統計値は真実です。」しかし、
あなたが罪を軽くするために「欠如した精神
能力」を検察官に訴えたり、疑わしい精神的な
状態が時間の節約のために利用された事件を加
えると、状況は全く違ったものになります。12
❚ 「Escape of the Guilty」の中でラルフ・ファ
イン判事はこのように語っています。「精神医
学が科学という装飾で自らを飾り立て、私たち
が犯罪者の責任能力を判断する場合に用いる基
準に影響を与えようとしても、その診断を全く
信頼することは滅多にない。」13
❚ ウォーレン・バーガー裁判長は、精神科
医による証言の科学的根拠の欠如について怒り
を持っています。科学的根拠がないため、被告
側と検察側の鑑定証人の意見が互いに衝突するの
です。「どの法律による判定も、他の学問の専
門用語に依存する時、その専門用語の意味に明
らかに、それらの学問の専門家が同意していな
いなら、その判定は分別深くもなく、効用性も
ない。」14
❚ 米国司法長官のための「暴力犯罪に関する
特別専門委員会」の委員長ジェフリー・ハリスは
このように観察しました。「私を驚かせたのは、
私が聴聞したどの裁判においても、弁護側の精
神科医は常に罰すべきは精神異常であると言い、
検察側の精神科医は常に、その被告が正気である
と言うことだ。これは常に起こっている。確実に
どの事件においても。したがって、偶然の法則を
遥かに超えているのだ。あなたは自分に問いかけ
なければならない。『ここで何が起こっているん
だ？』精神異常の弁護が駆け引きとして利用され
ている。そして極めて率直に言って、配役部門
に、精神医学の鑑定証人を刑事裁判で使用するのを
止めるように求めるべきだ。」15

「精神医学的な思想が、刑法の施行に導入された。
例えば、精神異常という言い逃れや評価、
裁判に耐えることのできない精神的な無能さという
診断などが、法律を堕落させ、明らかに
その主題を利用している被告を被害者にしているのだ。」

トーマス・サズ　精神医学名誉教授　

第一章
法と秩序の崩壊
6

JUSTICE-1-15 japanese-part1.indd 6 4/8/05 3:53:14 PM

 ❚ サズ教授はこのように加えています。 さ迷っている診断の正確さを傷つけることはない
「毒物学者が法廷において、死人の身体に大量 でしょう…女性を殴ったり、レイプしたり、殺し
の砒素を発見し、他の毒物学者が同じ方法でそ たりする欲望に対する心理学的な療法などありま
れを発見しなかったら、それは大目に見られる せん。そうできると現代の心理学が装っていると
ことはないだろう。しかし、この悲しくも奇妙 想像するだけでも、馬鹿げています。」17
な情景は精神医学の調査結果に関してはよく目 　 このような傑出した人物からの良識から
にされることなのだ。」16 状況を見てみましょう。犯罪者の活動を弁明す
❚ 「Whores of the Court, The Fraud of Psychiatric るために精神科医が証言しているという不条理
Testimony and the Rape of　American Justice」の な状況はどう見えますか？　しかも彼らは同じ
著者ハーゲン博士はこのこのように語っています。 人間に対して私に違う診断を下します。そして
「白黒をつけたらどうでしょう？　目隠しをして、 どちらも治療することはありません。事実を見
患者が正気かそうじゃないかわからないまま、 てみてください。
決めたらどうでしょう？3 度 に 1 度 の 的 中 率 を

法律の土台を崩す
犯罪率と暴力の上昇
犯罪率 │ 犯罪率 │ 暴力犯罪 │ 暴力犯罪 │
25年間で67％の上昇 前年度のほぼ2倍 25年間で1.5倍以上の上昇 4倍以上の高騰
145% 410%
増加 増加

97%
67% 増加
増加

1975年 2000年 1975年 2000年 1975年 2000年 1975年 2000年

合衆国 フランス 英国 スペイン

刑 事裁判における精神医学の
増大する影響は、ただ国際
的に上昇する犯罪率を生み出し
ているだけです。将来の危険性を
予測することができない、または
犯罪者を更生させることができな
いにも関わらず、精神科医たちは
いまだ、最高入札者のために裁判
所で証言をし、犯罪者は自分たち
のやったことに責任はない、ただ
彼らは（架空の）精神障害の犠牲
者、被害者なのだと主張していま
す。その結果は、急騰する犯罪率
です。なぜなら、犯罪者たちはた
だ野に放たれ、さらなる混乱を引
き起こし、改悛することも、矯正
されることもないからです。

JUSTICE-1-15 japanese-part1.indd 7 4/8/05 3:53:14 PM

 精神異常という弁護
終焉の始まり
ア
メリカ精神医 説明するために、家族 に よ っ て 雇 わ れ ま し た 。
学の父祖ベン ホワイト博士は、その若者たちの殺人行為は
ジャミン・ラッ 「意識的な思考に逆らう衝動によるものであ
シュは、1812年「Medical り、ある奇妙な衝動のせいであり、理由は
Inquiries and Observations はっきりとはしないが、彼らの抑制力を超えたもの
upon the Disease of the だった」と証言しました。この科学性の欠如につい
Mind」を書き上げ、犯罪 て何の疑問もなく、コロンビア郡控訴裁判所は、「
は治療可能な病気である 逆らいがたい衝動」という弁護を受け入れました。
と主張し、殺人や窃盗を その衝動とは、「理性や判断を圧倒し、善悪の分別
病気の症状であると見て を消し飛ばすもの」であると説明されています。19
いました。彼は、犯罪者
の管理を警察から精神 　この事件を足がかりとして、ホワイト博士と米国
科医に委ねられること 精神医学会は、精神科医がどの刑事または家庭裁判
を求めていました。 18　 所、あらゆる刑罰、そして矯正施設にも欠かせな
これ以前には、狂気の いものとし、精神医学
申し立ては法的な決定に 的な報告なしにどのよ
よって裁かれ、「医療的 うな重罪に対する宣告
な決定」によってではあ もなされず、精神医学
りませんでした。 の評価が、重罪を犯し
た服役囚が釈放された
1843年:マクノートン り、執行猶予を与えら
ベンジャミン・ラッシュ
事件が最初の精神異常 れたり、他の施設に移
に関して、法律が試さ されたりする前に行わ
れたものでした。英国人ダニエル・マクノートンは れるようにと勧告しまし
英国大統領の秘書を射殺しました。彼は大統領が自 た。この後、家庭裁判所
分に対して何か策謀を巡らせていると考えていたの と刑務所において精神科
です。法廷は「精神異常を理由」に、マクノート が設立されました。
ンを罪を問わず、死ぬまで精神病院に入院させま
した。 1954年:ダーラム裁判
バゼロン判事 の判定は、精神医学
1924年:アメリカ人の の法廷における確固
若者ネイサン・レオ 「バゼロン判事は…犯罪学と とした足場を固める画
パードとリチャード・ 精神医学を表面的に改善することで、 期的な出来事でした。
ローブは裕福な家庭出 自由を奇形化させた。彼はこれらの そして、世界の他の国家
身でしたが、年少の若 主題の価値を危険なほど誤解していた。 の前例を設けることに
者を無分別に殺害した 部分的には、それが邪悪である時、 なりました。1951年7月
罪で、刑を宣告されま 善であると考えることで、そして 13日、23歳のモンテ・ダ
した。米国精神医学会 部分的に、実際、それが古臭い ーラムは長い犯罪歴と精
（APA）の会長ウィリア ごまかしの上にある時、それが 神病歴を持ち、強盗の罪
ム・アラソン・ホワイ 新発見であると信じることで。」 で裁判にかけられ、有罪
トを含む傑出した精神 判決が下りていました。
科医たちが、その若い トーマス・サズ博士　 彼は自分が精神異常者で
被告たちの精神状態を 「Psychiatric Slavery」の著者　1977年 あるがゆえに、無実で

精神異常という弁護
終焉の始まり
8

JUSTICE-1-15 japanese-part1.indd 8 4/8/05 3:53:15 PM

 1942年、クラレンス
・ダロー（左）が
使用した精神医学の
「専門家」の鑑定証
言は、罪状を認めた
殺人犯レオポルドと
ローブ（下）の
行動に責任はないと
巧妙に主張して
いました。

あると主張していました。ワシントンDCにある合衆 ないと指摘しています。バ
国控訴裁判所のデビッド・バゼロン裁判長は判決を ゼロンは、APAから感謝状
覆し、善悪の基準をひっくり返しました。精神医学 と賞を与えられています。
が法廷に入り込む余地が広がったのは、偶然では サズ教授は、バゼロンが
ありませんでした。バゼロン自身も心理分析を受け 「配慮と治療という名目に
ていたのです。20 よる精神医学の強制を提唱
していた最たる人物の一人
1957年:アビ・フォータスは法廷に任命された弁 である。彼は…犯罪学と精
護士（後に合衆国最高裁判所の判事となった）で 神医学を表面的に改善する
あり、ダーラム法廷の判定の衝撃をこのように ことで、自由を奇形化さ
評価しています。「…法律は現代の精神医学を せた。彼はこれらの主題 ノートン･レオポンドとリチャード･ローブ
認めた…つまり、それは精神医学にとって特権で の価値を危険なほど誤解し
あり、権利章典であり、刑法と精神医学とだけに ていた。部分的には、それが邪悪である時に善で
限られた提携の申し入れであるということである あると考えることで、また部分的には、実際、そ
がゆえに、重要なのである。」21 れが古臭いごまかしの上にある時にそれが新発見
であると信じることで」と語っています。24
1966年:バゼロンが下した他の判定では、「精
神病患者の適切な治療を受ける権利」を確立し 現在:　精神医学の「専門家」たちは一日平均3,600ド
ました。 22　精神科医たちはこれを、治療を強要 ル（約38万円）という金額を受け取り、経費を支払う
する自分たちの権利であると解釈しました。 23　 なら誰であろうと、弁護証言をしています。
サズ教授は、バゼロンが精神科医によって「過剰
に祭り上げられた」英雄になったのも不思議では

精神異常という弁護
終焉の始まり
9

JUSTICE-1-15 japanese-part1.indd 9 4/8/05 3:53:16 PM

 1
重要な事実
米国精神医学会の「精神障害
の診断統計マニュアル第4版
(DSM-IV)」によると、その
精神障害に対する説明が法
医学的な目的で使用される
と、診断情報が誤用され、
誤解される著しい危険性が

2
あるということです。

このDSMを使用する精神科医
は、社会を犯罪者から
守るのではなく、犯罪者を
守るために司法制度を歪曲
しました。APAと他の国々の
精神医学会はそれをただ
黙認するだけです。　　　

3 「鑑定」証人に対する視点
について、オーストラリアの
裁判官にアンケートが
行われました。その結果、
裁判の道具としての精神
医学に対する信頼の欠如が
広がっていることが発見さ
れました。

4 ある精神科医が1988年に
書いた論文によると、
｢実際、プロの臨床医師が
下す臨床的な判断は、
実際のところ、門外漢の
それとほぼ変わりない」
そうです。　

弁護証言の際、心理学者は
メネンデス兄弟が、散弾銃で両親を
殺した時「学習に関する失望症」を
患っていたと主張しました。
彼らは後に有罪判決を受けました。

JUSTICE-1-15 japanese-part1.indd 10 4/8/05 3:53:17 PM

 第二章
　科学か不正行為か？
N
orthwestern Law Review」の1962年の記事で、 その兄弟が「心的外傷後ストレス障害」であることを主
精神科医アルフレッド・バウアーは、 張しました。
ある患者が裁判にかけられる前に、3ヶ 　　陪審員のひとりは、「一般大衆は陪審のことをばか
月の観察のために自分の病院に入院させ の集まり以外の何者でもないと思っているでしょう」と
た事例を例に挙げました。バウアーとふ 述べました。では、12人の男と女の一団ふたつを無力に
たりの同僚は、その患者が「精神障害ではない」と したものはいったい何だったのでしょうか。それは、ふ
判断しました。裁判所は、他の専門家の意見を聞く たりの精神科医が、少年たちの精神疾患の診断に互いに
ためにふたりの民間の精神科医を任命しました。 同意できず、犯罪行為は仕方ないという精神医学的な考
診断後、一方の精神科医は、その患者は妄想型統合失 えに互いに同意できなかったという事実がそうさせたの
調症であると発表しました。もう一方は、その患者は です。
単に偏執病状態にいるに 　　ふたつの裁判の後、兄
すぎないと述べました。 弟は有罪を宣告されました
裁判の時、病院のふたり が、裁判所における精神科
の精神科医は、その患者 「DSM-Ⅳの分類、基準、原文の説明が 医と心理学者の役割につい
は精神異常ではないと証 ての疑問は続きました。
言しましたが、その一方
法医学的な目的で使用される時、 「TIME」誌に掲載された、
で、裁判所に任命された 診断情報が誤用、誤解される マーガレット・カールソン
ふたりの精神科医は、そ 深刻な恐れがある。」 によるこの判例に関する随
の患者が精神異常である 筆で次のように述べられて
ことを主張しました。 DSM　米国精神医学会　1994年 います。「『犠牲者論』が
　　このこっけいな状況 私たちの時代における魅力
の皮肉な落ちは、バウア 的な戦略となりました。メ
ーが報告するように、 ネンデス事件において、法
「陪審はその結果、その男が『精神異常だったという 律はあまりにも広義に解釈され、犯罪者が深刻な損害を
理由で無罪』であり、『いまだ精神異常である』と判 被る恐れがある（正気な人は誰も自分の身を守ることは
断し、その患者が精神障害ではないことを証言したば できない）という『不合理な』信条が自己弁護の十分な
かりの病院に、その患者を送った」ことでした。｣25　 基盤となりえます。私たちはどうやって、善悪の区別が
　　1994年に世界を驚愕させた事件、自分たちの家にあ ついた社会から、全てに寛容を示し、何も罰しない世界
る400万ドル（約4億2,400万円）のために、両親を惨殺し にたどり着いたのでしょうか？」26
た二人の兄弟エリック・メネンデスとライル・メネンデ 　 　 その答えは世界精神保健連盟（WFMH）の共同創
スの裁判で、カリフォルニアの陪審員が絶望的なほどに 設者C.ブロック・チショルムが宣言した精神医学の目的の
行き詰まったのが観察されました。彼らを弁護するため 中にあります。つまり、この治療法が、善悪の概念を
に、精神科医、心理学者、療法士のチームが雇われまし 撤廃すること、そして米国精神医学会の『精神障害の診断
た。ユタの心理学者アン・タイラーは、激しい虐待の繰 統計マニュアル（DSM）』と『国際疾病分類（ICD－Ⅹ）』
り返しの末、兄弟が「学習に関する失望症」を患ってい を支持することを目的としているというものです。　
ると証言しました。別の心理学者ジョン・ウィルソンは、 　　カナダの心理学者であるタナ・ダイニーン博士は次

第二章
科学か不正行為か？
11

JUSTICE-1-15 japanese-part1.indd 11 4/8/05 3:53:18 PM

 のように報告しています。27「確実な病因、適切な治療、 2003年、ギガンテは自分が詐欺師であり、意図的に、

「
そして正確な予測を伝える医療的な診断とは似ても似つ ただ非常に高給取りの精神科医たちが誤解するように導
きません。DSM－Ⅳ（とICD－Ⅹ）に列挙された病気は、 いただけであることを認めました。31
米国精神医学会の会員の投票によって決められた用語に 　　精神障害という弁護を通して、（たとえば、
過ぎません。」そして、それは、ほとんど診療保険を請 放火に関しては「放火癖障害」、子どもへの性的虐
求するためだけに考案されたものなのです。 待は「小児性愛病」といった精神障害を理由にし
マーガレット・ヘーガン博士は以下のように指摘してい て）有罪宣告から逃れたり、無罪の人を有罪にする
ます。「司法制度に説明されたのは、臨床心理学とは科 ために、架空の症状（たとえば、子どもが両親や他の
学的な法則であり、その理論と方法論は発達した科学か 人を責める理由をでっち上げるために、架空の出来事
ら成っているということです。そして、司法制度はそれ を想像する「抑制された記憶」症候群）をでっち上げ
を信じたのです。提示された臨床心理学の『科学』に関 たりしているところを想像してください。社会は本当
する言及には本当に信じがたいものがあります。」28 に滅茶苦茶になってしまいます。そして精神科医が、
　　オーストラリアの裁判所は、「専門家」の視点につ 犯罪者が精神異常であると宣言したため、無罪の宣
いての調査を行いました。鑑定人であるイアン・フレッ 告をされた時、彼らはただ精神治療施設に送られま
クルトン博士は、精神医学の信用が広く破綻していて、 す。そして、彼らの暴力的な狂気は薬物によってさら
法的な道具として使え にひどくなるでしょう。
ないことを発見したと こうして、WFMHの共同創設
「司法制度に説明されたのは、
調査書の中で述べてい 者リーズ博士とチショルム
臨床心理学とは科学的な法則であり、
ます。29　彼は、医学と 博士が夢見た道徳規制のな
法律の混迷に関する国 その理論と方法論は発達した科学から成ってい い全体主義的な「素晴らし
家的な権威の一人です るということです。そして、司法制度は き（ひどい）新世界」が実
が、裁判官は「それが それを信じたのです。提示された 現しました。
確実性のない科学であ 臨床心理学の『科学』に関する言及には 　　1884年、ニューヨーク
る」と語っているそう の裁判所は次のように宣告
本当に信じがたいものがあります。」
です。そして、法廷に しました。「12人の陪審員
おけるDSMの使用に関 マーガレット・ハーゲン博士　 の一般常識や経験は、雇用
して、差し止めの警告 された専門家からの援助が
が出されたのを知っていると語っています。 ない方が有用である。それらの専門家は自分たちの
　　DSM－Ⅳの中に記載されているように、「DSM－Ⅳの 目的を宣伝したいという欲望を押し殺すことができ
分類、基準、原文の説明が法医学的な目的で使用され ないのだ。32　それ以来、長きにわたる伝統として、
る時、診断情報が誤用、誤解される深刻な恐れがある」 精神科医や心理学者は、『真実の追究、完全で、それ
ため、「責任能力と犯罪責任、または責任能力の欠如に 以外の何ものでもない真実の追究』が、意味のない
関わる『精神障害』や『精神能力の欠如』そして『精神 一塊の資料や、恐ろしく複雑な憶測や幻想的な予想の
薄弱』の実在を司法のために立証するには、不十分であ 中に埋もれてしまうまで、弁護士たちに自分たちを売り
る」ということです。 込み、莫大な富を得ている。法廷に複雑で、系統立てら
　　ある研究によると、精神科医と心理学者の臨床的な れたナンセンスでいっぱいの深刻に聞こえるごまかしが
診断は、一般人が下す診断よりも正確性を欠いているこ 響き渡り、それは法廷の弁護士たちによって利用される
とを示しています。30　「おしゃべり」とあだ名される 馬鹿げたレッテルと呼ぶに全く相応しい。それはくだら
ニューヨークの犯罪一家のボス、ヴィンセント・ギガン ない科学だ。」33
テの事例を見てみると、彼は脅迫と殺人容疑を宣告され 　裁判中に判決を与えている間、執行猶予の聴聞会の
ていました。30年以上、彼は裁判の時にはいつも精神病 中ですら、精神科医たちは自分たちの意見を求められ
の振りをしていました。そして彼は精神科医を雇い、 ています。そして残念なことに、それらの意見は考慮
その精神科医は彼を「偏執性の統合失調症、痴呆で、 に入れられるのです。
アルツハイマー」であると証言していました。

第二章
科学か不正行為か？
12

JUSTICE-1-15 japanese-part1.indd 12 4/8/05 3:53:18 PM

 法廷における嘘
弁明をねつ造する
「M
anufacturing Victims」という本の中で、
❚ 風とともに去りぬ症候群：映画にちなんで名づけ
カナダの心理学者タナ・ダイニーンは以 れた名前で、レイプの専門家によって、強姦者がなぜ、
下のような例を挙げています。これは、 セックスが自然発生的で、女性からの何らかの抵抗の
心理学者と精神科医が金銭を受け取り、 後に行われるかを説明する際に利用されました。
犯罪行為を病気としている例です。（括弧内の ❚ 超一流スポーツ選手症候群：O.J.シンプソン裁
数字は、DSM－IVの分類コードを表しています。） 判の弁護に利用され、スーザン・フォワード博士によっ
❚ わいせつなイタズラ電話症候群(302.90)：ある て命名されました。フォワード博士は殺害されたシン
精神科医が主張したところによると、イタズラ電話を プソンの妻、ニコルを治療しており、その理論とは、
かけていた罪で逮捕された後、アメリカ大学の総裁の スポーツ選手、特にスター選手は恐らく不満を持った
地位を追われたリチャー 際に凶暴になりやすいと
ド・ベレンドゼンは性的 いうものでした。
倒錯(逸脱した性的振る舞 ❚ 会計不安症：2003年
い)に苦しんでいたという ノルウェーの心理学者は
ことでした。 このように主張しました。
❚ 夢遊病障害(307.46)： 自分が財務法、そして税
この診断は1980年代に、 法を破ったのは、「会計
自分の妻の両親を殺害し 不安症」にかかっていた
た罪に問われていたある からだそうです。
カナダ人を弁護する際に ❚ 道 徳 精 神
巧妙に利用されました。 病：1998年ミズゥ
その男性は、真夜中にト ー リ 州 の 精 神 科 医
ロントから24キロ離れた ウィリアム・コーンは懲役
場所にまで車で赴き、犯 133年を宣告されました。
行に至りました。 罪は2人の女性患者に対す
❚ 身体障害(330.81)：あ る性的、そして逸脱した
る大学教授が成人の自分 性的暴力でした。コーンは
の娘に対して定年退職す このように主張しました。
るまで毎月1,500ドル (約 シンプソン裁判の弁護に利用され、 彼は仕事や権力、そして
16万円)支払うように 宣告 スーザン・フォワード博士によって命名された 完璧さに狂ったように｢熱
されました。というのも、 中する｣あまり、｢道徳精神
「超一流スポーツ選手症候群」
彼女は自分の身体障害に注 病｣になったということで
意が向くという障害のため
心理学者は、スポーツ選手は不満を持った際に した。34
に働くことができなくなっ 凶暴になりやすいと主張しました。 これは恐らく、1995年
たからでした。 におけるニュー･メキシ
精神医学を利用した奇 コ州の上院議員ダンカン
妙な弁護主張がどれもDSMを使ったわけではありません ・スコットが精神科医や心理学者の免許法案の改正を
が、それは法廷においてかなりの影響力を持っていま 提案した理由を説明しているかも知れません。
す。例えば、 「被告の責任能力に関する聴聞会で証言する際は、
❚ クランボート・カンジンスキー症候群：ある心理 心理学者や精神科医は常に60センチ余りの円錐の帽子
学者の証言によると、ニューヨーク州の裁判長がゆす を被ること。その帽子の表面に星や雷が描かれているこ
りと自分の元愛人の十代の娘を誘拐すると脅迫した罪 と。加えて、心理学者や精神科医は長さが45センチ余り
に問われた時、それは｢CKS(クランボート･カンジンス もある白いひげをつけるように求められる。そして、指
キー症候群)｣の症状の進行の現れであり、抑えがたい 揮棒で空気を突き刺すことで、自分の証言の残酷な要素
恋の悩み、または｢異常性欲｣を含むと説明しました。 の合間に句読点をつけなければならない。」35
❚ 文化的精神病：ミルウォーキーの弁護士が主張し その改正は上院において可決されましたが、ニュー
たところによると、皮コートに関する言い争いの後、少 ･メキシコ州の下院によって却下されました。
女を射殺したある十代の少女が「文化的精神病」にか さらに深刻な視点として、サズ博士はこのように
かっており、そのため、彼女は銃火によって問題が処 言っています。「犯罪とは、私たちが犯す行動である。
理できると考えるようになったということです。 病気とは私たちの身体に起こる生物学的な作用である。
❚ ファン妄想症候群はそもそも精神科医のパーク・ これら二つの概念を混ぜ合わせ、私たちが病気ではない
エリオット・ディエッツによって1992年に提唱され、そ と判断した行動を『病気である』と定義することは、
れは女優のレベッカ・シェファーを殺害したロバート・ 底なしの混乱であり、退廃である。」36
バルドーを弁護するために利用されました。

JUSTICE-1-15 japanese-part1.indd 13 4/8/05 3:53:18 PM

重要な事実

1 精神病を抱える犯罪者の更生の
どの失敗に対しても、精神医学は
ただ「症状の深刻さ」を理由に、

2
より多くの援助金を要求します。

カリフォルニア矯正局が現行の
カウンセリング・プログラムのひ
とつの効用性について調査した
ところ、発見されたのは、その
プログラムの参加者の少なくとも
半数が、3年間の執行猶予の間に
刑務所に逆戻りしているという

3
事実でした。　

刑務所の囚人のほとんどが強力な
抗精神病薬を投与されています
が、多くの研究により、その結
果、攻撃性や暴力が引き起こされ

4
ることが発見されました。

1979年、｢エステラ対スミス｣殺人
事件の裁判において、合衆国の
最高裁判所はこのように宣告し
ました。｢生来の犯罪的な行為の
予測に関する精神医学の鑑定証言
は、実情調査を歪曲した。｣

調査によると、心理学的なカウンセリ
ングを受けていた仮出獄者の78％が、
後に法律上の問題を継続的に起こし、
彼らのうちの半数以上が刑務所に再び
収容されることになったそうです。

JUSTICE-1-15 japanese-part1.indd 14 4/8/05 3:53:19 PM


更生プログラムの失敗
青 少年の犯罪を扱った1995年の「ロサ
ンゼルス・タイムズ」紙の記事におい
て、青少年と刑事司法センターの創
設者で、サンフランシスコのシンクタンクの役
員であるビンセント・シュラルディはこのように
語っています。「私たちは司法制度の責任感を保
てるようにする準備を
しなければならない。
もし、製品が工場から
出荷されて一年以内
に、3つのトヨタの会社
のうち2つが行き詰まっ
たら、トヨタは失業して
しまうだろう。だが、
3人の子どものうち2人
が少年院から出所し、
再犯を犯した場合は、
さらに大きな少年院が
建つだけだ。」
司法制度内の精神科医
や心理学者に責任を取
らせる時が来ました。
人間の行動の「専門家」と自称する人物は、更生
プログラムにも責任があります。彼らはこの義務
のために資金を援助されています。彼らは、刑務
所を単なる人間を閉じ込め、社会にこれ以上害を
与えないようにする収容所だと考えているようで
す。更生という仕事、つまり、犯罪者を生産的な
国民にするという仕事は、多大な納税者からの経
費をかけて精神科医に任されています。
そして、大きな失敗に直面した時、彼らは往々
にして、より多くの援助金を求めるのです。その理
由は、｢状況が深刻｣であるから、というものです。
　しかし、この事実をよりつぶさに視察した結
果、不条理が露見しました。
第三章
❚ カリフォルニア矯正局による長期の調査プロ
ジェクトが、中級程度の保安設備を持つある刑務
所のカウンセリング・プログラムを調査し、その
結果、3年の仮釈放の間に、心理学カウンセリン
グを受けた78％の囚人たちが法律上の「大小の問
題」を経験した、または刑務所に逆戻りしていた
ことが明らかになりま
した。37
❚ 刑務所の囚人に対
大きな失敗に直面した時、 する治療の大部分は、
強力な抗精神病薬を与
彼らは往々にして、 えることで占められて
おり、更生のためとい
より多くの援助金を求めるのです。 うよりは、彼らを管理
し、戒めるために使用
その理由は、｢状況が深刻｣である されています。
❚ 1975年、カナダに
から、というものです。 おける調査により、囚
人に対する精神薬の作
用について次のことが
発見されました。｢囚人
が抗精神病薬を投与されていた方が、そうでない
時よりも極めて頻繁に暴力事件を起こしたり、攻
撃的になったりする。」38
❚ 1990年度の研究によると、精神病棟の争い
の半分が薬物の副作用による「静坐不能症（じ
っと座っていられない状態）」と関わっている
とされています。その副作用は攻撃的、または
暴力的な振る舞いなのです。39　
❚ 他の調査によると、強力な精神安定剤を平
均よりも多量に投与された患者の半数が、際立っ
て攻撃的になることが判明しました。その患者た
ちは、｢近くにいる人間は誰であろうと攻撃した
い｣そして、｢いまいましい奴らを殺したい｣とい
う暴力的な衝動を経験したと語ってます。40

第三章
更生プログラムの失敗
15

JUSTICE-1-15 japanese-part1.indd 15 4/8/05 3:53:20 PM

 ❚ 2000年度のスウェーデンにおける研究によ
り、47人の非行少年少女の40％が｢恐怖軽減剤｣、
そして｢デート・レイプ｣として知られる精神安定
剤の重度の乱用者であることが判明しました。こ
れらを服用することで、非常に暴力的な犯罪を犯
せるようになるのです。41
❚ 少なくとも、選択的セロトニン再取込阻害
薬（SSRI）抗うつ剤を服用している5％の患者が
「すぐに判別可能な」副作用に苦しんでいます。
その作用に含まれるのは、動揺、不安、そして神
経質や攻撃性、幻覚、そして離人症です。42
❚ 抗精神病薬(囚人によく投与される薬物)が一
時的に精神異常性をあいまいにするかも知れませ
んが、長期的には患者はもっと生物学的に精神異
常を起こしやすくなる恐れがあります。43
「The Effectiveness of Correctional Treatment」
の著者はこのように報告しています。「その精
神病院の患者たちの行動を管理するために医学
的な手法が使用されるが、それは実際一時しの
ぎに過ぎない。これは分裂的な行為を『治す』
行為と混同されるべきではない。」44
しかし、向精神薬は今や監禁されている未成年
者や成人に与えられています。囚人を更生し、
生産的な社会の一員になれるようにするのでは
なく、これらの薬物を
使うことで、囚人たち
ある種の抗うつ剤に が犯罪というらせん状
悪循環から脱出するの
よく見られる副作用には、 がさらに困難になって
います。そして、これ
動揺、興奮、不安、そして らの薬物は暴力行為を
ノイローゼ、幻覚、自殺願望や 引き起こします。精神 科医たちはこれらの行
離人症が含まれています。 いに関して責任を取る
べきです。
サズ教授が言って
います。｢精神科医たち、そして精神科医たち
だけが、精神病患者を守る義務がある。そして
精神病患者だけを、自傷他害を犯すことから守
る義務がある。したがって、もし精神医療の介
護を受けている人が自傷他害を犯すなら、その
精神科医はその生命を不当に奪われた人間に対
して、民事的、または刑事的な責任を取らな
ければならないだろう。」

ジェレミー・ストロメィヤー(18歳)は、
7歳の子どもを殺した罪で有罪を
宣告されました。精神薬を処方
される前、彼には暴力事件を
起こした経歴はありませんでした。

JUSTICE-after japanes-part2.indd 16 4/8/05 3:56:34 PM

 安全ではない手続き
危険を予測できるでしょうか？
1 994年、子どもを殺
害した殺人者に無
期懲役の刑を宣告
したウイピグ州のオイ
ルファント陪席判事長
は、その犯罪の遥か前
言えるに過ぎない。
収集された研究文献が
示しているのは、危険
性を予測することに
おける過ちは54％から
94％にまでと変動して
に、マニトバ郡の犯罪 いるが、平均的には
精神医学局長により書 85％である。」47
かれた報告を引用しま 　米国精神医学会の
した。1989年にその被 特別専門委員会は、
告の危険性の予測に関 合衆国の最高裁判所
して、その局長はこの に提出した1979年の法
ようにその報告書に 廷証言書の中でこのよ
記入していました。 うに証言しました。
「この人物が反社会 「『危険性』には、精神
的な人物であるこ 医学的、医療的な診断
とを示すものは何 ではなく、法的な判定
もなく、攻撃性や や定義の問題、そして
暴力性を表現する 社会的な方針の問題が
傾向もない…総体的に 関わることが示されて
見て、彼が地域共同 いる。『危険性』を
体に物理的な脅威を 予測することにおけ
呈示しているようには る精神医学の専門知識
感じない。私の意見で 精神医学の意見や理論が、法の溝を埋める代わりにはならない。 は確立されておらず、
は彼は危険人物では 臨床医はこのことに
ない。」45 関して『決定的』判定を下すことを回避するべき
この引用を法廷で読んだ後、オイルファント判事 である。」48
長はこのように判決を下しました。｢この報告書を その返答として、この最高裁判所は「専門的な
読んだ後の私の意見である。この報告書の後に起 見地による文献はどれも、基本的にこのような予
こったことを見直した結果、精神医学を科学とし 測には非常にわずかな信頼性しかないこと、そし
て表現できないということが明らかになった。｣ て精神医学からの証言や専門知識がこのような予
法廷において様々な事件が証明したのは、精神 測に対して不適切であることが証明された。これ
科医たちが犯罪者の行動を予測できないというこ らの結論を鑑みて、将来の犯罪行為という問題に
とでした。 関する精神医学からの証言は、まさに実情発見の
1976年、「Rutgers Law Review」紙の記事に 手続きを歪曲するだけである」という意見を提出
おいて、作家のヘンリー・ステッドマンとジョセ しました。
フ・ココッザはこのように結論を出しています。 2002年、日本精神医学会の副会長である森山
「正確に危険性を予測するための何らかの特別な 公 雄 氏 は さ ら に こ の よ う に 証 言 し て い ま す 。
専門知識を精神科医が持っているという見地を経 「…（精神医療）科学が、再犯の恐れがあるかど
験的に裏付ける証拠はない。」46 うかを判断することは不可能である。」49　
20年にわたる調査の後、テレンス・キャンベル このような声明にもかかわらず、「危険性」と
は1994年の「Michigan　Bar Journal」誌の記事の いう概念は今も法廷において、そしていわゆる
中で、このように書いています。「未来の出来事を 「精神病患者」の強制的な収容のために利用され
予測する臨床判断の正確さは、しばしばでたらめ ています。
な偶然を予測するよりもほんのわずかにましだと

安全ではない道行き
危険を予測できるでしょうか？
17

JUSTICE-after japanes-part2.indd 17 4/8/05 3:56:35 PM

 重要な事実

1 精神科医全体の10％が自分
たちの患者を性的に虐待し
ています。

2 2001年の報告によると、性的
に虐待された20人の患者に
つきひとりが未成年者であ
るということです。

3 精神医学と心理学には、その
分野に関わる者たちによっ
て犯される性犯罪の急増を
処理するために、特に考案
された25以上の規定があり
ます。

4 精神科医と心理学者の名前
が頻繁に現れるのは、医療
業界における詐欺、性的虐
待、そして他の犯罪が露見
した場合です。
　　　　　

2002年6月、精神医学の「専門家」でありニュ
ージーランド、オタゴ大学の心理医療研究所の
所長であるコリン・ボーワーは自分の妻を殺し
た罪で無期懲役を宣告されました。

JUSTICE-after japanes-part2.indd 18 4/8/05 3:56:36 PM

 第四章
「専門家」の間の犯罪
も
し誰かが法律を破っても罰せられないな 　2001年の調査によると、療法士によって性的に
ら、その人物自身が法律になっているの 虐待された20人の患者のうち一人は未成年でし
だ、というのは、昔からの格言です。 た。平均して少女は7歳から少年は12歳からこう
この格言を、精神科医たちはよく知っています。 いう虐待を受けています。51　性的虐待を受けた
　この小冊子の中で、精神科医や心理学者には、 最年少の子どもはわずか3歳でした。
自分の仲間の犯罪の弁明をねつ造しようとして、 　現在、世界中にいる65万人の精神科医と心理
露骨に理論をねじ曲げたがっている人たちがいる 学者のうち少なくとも10％が自分たちの患者を
ことを説明します。さらに、これらの専門職が、 性的に虐待していると証言しています。そのうち
高い犯罪傾向を持っているという事実を説明し の10％、つまり6万5千人の専門家たちが証言した
なければなりません。 ところによると、自分
多くの事例において、 たちが患者を性的に虐
犯罪を犯した精神科医 待していることを認め
のために弁明する精神 現在、世界中にいる65万人の ました。ある調査によ
科医たちが、後によく ると、その人数は25％
似た犯罪を犯している 精神科医と心理学者のうち に及ぶと見積もって
ことが露見し、逮捕さ います。
れています。 少なくとも10％が自分たちの 　1997年にカナダで行
　人間の司法に対する われた精神科医に対す
自然な感覚、そして善 患者を性的に虐待していると る調査が明らかにした
悪の理解を最も傷つけ のは、10％の精神科医
るのは、子どもに対す
証言しています。 が自分たちの患者を
る犯罪さえ軽く見よう 性的に虐待しているこ
とする精神医学の中の とを認め、80％が継続
思想です。 的にこれを犯している
　小児精神医学の臨床専門家リチャード・ガ ことを認めました。そのうちの多くが自分たちを
ー ド ナ ー の 忠 告 に 耳 を 傾 け て み ま し ょ う 。 治療するために、他の精神分析医や氏に療法士の
その忠告はワシントンDCで1999年に発行された 診察をすでに受けていますが、どれも不成功に終
「Insight」誌に掲載されています。｢小児性愛癖 わっています。52
に対する社会の過剰に道徳的な姿勢と厳しい懲罰 　1999年に英国で行われた、心理療法士と患者と
的な反応は、その犯罪の深刻さについて私が考え の間の性行為に関する調査により、25％が他の療
ているものをはるかに上回っている。｣ガードナ 法士と性的に関係を持った患者を治療したことが
ーは、小児性愛癖が子づくりに役立つと提案して あると報告しました。53
います。50 　精神医学と心理学には、その分野に関わる者た
　以下の統計値は、心の健康に携わっていると主 ちによって犯される性犯罪の急増を処理するため
張する専門職の間でこのような姿勢がなぜありえ に、特に考案された25以上の規定があります。
るのかという疑問に答えを投げかけます。 　以下は性犯罪により有罪となったわずかな例です。

第四章
「専門家」の間での犯罪
19

JUSTICE-after japanes-part2.indd 19 4/8/05 3:56:36 PM

この2つのページ
に掲載されてい
る精神科医と心
理学者は、レイプ
や他の罪で懲役
を宣告されてい
ます。その年数は
合計すると165年
ドナルド・パーソン
となります。

アラン･ホロウィッツ

ウィリアム･コーン ルイス・ツサヴァリス

　 ❚ 1992年に、ニューヨークの精神科医アラン・
J.ホロウィッツは7歳から9歳の少年を男色行為に利
用し、14歳の少女を性的に虐待したことで10年から
20年の懲役に処せられました。ホロウィッツは自分
が「普通の小児性愛癖者」であると自己弁護しま
した。
　 ❚ 1998年、ミズーリ州の精神科医ウィリアム
・コーンは懲役133年を宣告されました。罪は2人
の女性患者に対する性的、そして逸脱した性的
暴力でした。彼はこの犠牲者たちに、離乳時期
があまりに早すぎたため、自分とセックスをするこ
とで、もう一度養育されなければならないと語った
ということです。
　❚ ユタ州の心理学者ドナルド・パーソンは自分
自身を「道徳的な」人物であると表現しました。そ
れは彼が12歳の少女をレイプし、10年の懲役を宣告
された時でした。54
　 ❚ 2002年12月10日、英国の精神科医クリスト
ファー・アリソンは6人の患者をレイプし、性的
な虐待を行った罪で20年の懲役に処せられ
ました。55
　 ❚ 2002年7月4日、ロンドンの精神科医コラター
・ユーニは催眠療法を行っている間、女性患者を性
的に攻撃した罪で18ヶ月の懲役に処せられました。
ユーニには、患者を性的に攻撃した経歴があり、
同様の事件により、ニュージーランドにおける医療
免許を剥奪されていました。56
　❚ 2002年7月24日、デンマークの心理学者

第四章
「専門家」の間での犯罪
20

JUSTICE-after japanes-part2.indd 20 4/8/05 3:56:37 PM

 ジャン・スコヴセゲル(54歳)は度重なる深刻な 1 9 9 9 年 、 保 険 会 社 に 過 剰 請 求 し た
性的虐待の罪で6年の懲役に処せられました。その中 め 、 6 ヶ 月 間 の 禁 固 刑 と 2 年 間 の 執 行
には7歳から11歳の少年3人に対する男色行為の強要、 猶予、そして2万ドル(約212万円)の罰金を命じられま
わいせつ物陳列罪が含まれていました。スコヴセゲル した。60
はこれらの少年一人一人に対して賠償金を支払うよう 　❚ 2000年、ドイツの精神科医オットー・ベンカート
に宣告されました。その裁判官はこのようにスコブセ は 執 行 猶 予 つ き の 懲 役 1 1 ヶ 月 と 、 1 7 6 , 0 0 0 ド ル
ゲルに言いました。｢あなたは家族との間に信頼関係 ( 約 1 , 8 6 5 万 円 ) の 罰 金 を 命 じ ら れ 、 自 分 が
があったが、それを計画的に悪用した。｣57 精神科主任を勤める大学を騙した罪で、
　合衆国、特に1977年から1995年までのニューヨーク 704,683ドル(約7,470万円)を支払い戻すように命じら
における医療扶助や医療制度の保険詐欺に関する調査 れました。61
により、精神科医があら 　 ❚ 2002年8月6日、カ
ゆる医療関係の規律に関 ナダの心理療法士マイ
して最悪の業績を持って ケル・ボガードが、92万
いることが明らかになり 4千ドル(約9,800万円)の
ました。58 保険料を不正に政府か
　合衆国や他の国におけ ら請求していた罪で、
る詐欺罪や殺人罪の例の 懲役18ヶ月を宣告されま
いくつかをここに挙げて した。しかも、ボガード
います。 が請求したのは架空の心
　 ❚ 1998年、南アフリ 理療法に関してであり、
カ の精 神 科 医 オ マ ー ・ ヨーロッパ、ニュージー
サバディアは自分の妻 ジャン・スコヴセゲル ジョン・オーフィン ランド、ラスベガス、
を殺害し、60万ドル(約 そしてニューヨークで余
6,360万円)の保険金を得 暇を過ごしていた分の請
ました。オマーは自分の 求だったのです。62
持ち金を全てギャンブル 　 ❚ 2002年6月、ニュー
ですってしまっていたの ジーランドにあるオタ
で す 。 彼は 自 分 の 患 者 ゴ大学の前心理学主任
の一人を使うことで、 精神科医コリン・ボ
妻の殺害をお膳立てしま ー ワ ー が 、自 分 の 妻 を
した。59 殺害した罪で無期懲役
　 ❚ ヴァージニア州の コラター・ユーニ クリストファー・アリソン を 宣告されており、
精神科医ロバート・ それについて控訴しま
C．ショワルターは刑事 したが、取り下げられ
裁判における被告弁護 ました。63
側の鑑定証人でした 「あなたは家族との間に 　 ❚ 2003年11月、チェ
が、ある男性患者に コ共和国の精神科医
自分の前で自慰行為を 信頼関係があったが、 イワン・ザゲイノフ
するように強要した それを計画的に悪用した。」
　
は15歳の少女の患者を
後、医療免許を剥奪 絞 め 殺 し た 罪 で 懲
さ れました 。ショワルター 役13年を宣告され
は、この療法のことを
デンマークの心理学者ジャン・スコヴセゲル ました。64　
マスターベーション療法と に判決を下した裁判官　
呼 ん で い ま し た 。 2002年

第四章
「専門家」の間での犯罪
21

JUSTICE-after japanes-part2.indd 21 4/8/05 3:56:38 PM

 重要な事実

1 精神医学の司法制度の関与
は、とてつもない失敗であり、
社会に多大な犠牲を払わせて

2
います。

効果的な司法を取り戻すた
めに、法廷から精神医学の影
響を排除しなければなりま
せん。

3 犯罪者を社会に役立つ人に
するための更生は、精神科医
や心理学者が「個人の責任」
という考えを否定している
限り、起こりえません。

4 科学的な正当性がないがため
に、法的な、もしくは医療に
関わる専門家は、精神科医や
心理学者の証言を裁判で受け
入れるべきではないと推奨し
ています。

裁判制度は、精神医学や心理学の
精神異常や責任能力の欠如という
弁護から解放されるべきです。

JUSTICE-after japanes-part2.indd 22 4/8/05 3:56:38 PM

 第５章
司法の回復

自 分たちは人間を理解しているだけで かが起こったため、30年たった今も責任を取ら
なく、人間の行動の動機と、それを なくてもいいというものだ。」
改善する方法を知っていると言いな 　精神医学の思想とは反対に、人間はただの救
がら、精神医学は司法や刑罰制度に介入してき いようのない動物でもなければ、意志も良心も
ましたが、それは真実ではありません。 もたず、他の誰かの考えに従って操作されるも
　精神科医には、自身の効果を証明する機会を のでもありません。人間の底辺にあるのは、
与えられてきましたが、証明したのはひどい失 どんな混乱があっても、自分の問題に直面し、
敗でした。社会に対する損失は甚大で、それは それを解決しようという勇気を自分が持ってい
金銭的なものだけではありません。 るという確信です。そして人間は、自分には善悪
　精神医学は解決策を装いますが、そうでは の違いを認識する力があるということを知って
ありません実は問題 い ま す 。そ し て 、何 よ
を引き起こしている りも、人間は、こう
のです。 いう力がないと説得
　 ま ず は 、裁 判 所 、 「私たちは精神医学によって しようとするものが自
警察、刑務所そして学 貶められ、混乱させられた責任という 分に対する究極の裏切
校における精神医学 りであるということを
の影響を排除すること 考えを取り戻さなければならない。 知っています。
です。 彼らの考えは、子どもの頃に何かが 　ボストン大学精神医
　社会主義は、犯罪者 学科と法学科の講師
が自分のやったことに 起こったため、30年たった今も責任を で ヘ ー ガ ン 医 学 博 士
直面する機会を与えら 取らなくてもいいというものだ。」 がこのようにまとめ
れなければならない、 ました。 「 精 神 異常、
そして社会にとって生 トーマス・サズ教授 責任能力、更生、拘束、
産的な一員になるため 損害、無能力という疑
に更生されなければな 問について、いわゆる
らないと命じます。 精神医学、そして心理学の専門家からの不正な
　精神医学は個人の責任という考えを排除する 干渉なしに判断できるのは、裁判官と陪審員
ことで、それを根絶しようとします。その試み だけです。
は、最も重い罪に対する弁明をねつ造すること 　民主社会は、正しくこれらの責任を平均的
によって行われ、こうして司法制度の土台は崩 な男女、そして裁判官や法制官に負わせてい
れていきます。 ます。今こそ、専門的な意思決定者に責任を
　トーマス・サズはこのように警告を発しま 押しつけようとするのを止める時です。無責任
した。「私たちは精神医学によって貶められ、 な人物たちを追い出し、裁判や司法制度を私た
混乱させられた責任という考えを取り戻さなけ ちの手に取り戻す時はもう来ています。」65
ればならない。彼らの考えは、子どもの頃に何

学の
いう
。

第５章
司法の回復
23

JUSTICE-after japanes-part2.indd 23 4/8/05 3:56:39 PM

 勧 告
勧 告

1 まず何よりも、
あらゆる人々が自分自身の行動に責任があり、その行動につい

2
て責任を負わなければならないということが認識されなければならない。

国家や連邦の法制官は、精神異常という弁護や、責任能力の欠如を擁護する
法律を廃止するべきである。　　

3 裁判官、弁護士、または警察関係者は、裁判所から精神医学的な鑑定証拠が
排除されており、精神科医や心理学者が「鑑定人」としての地位を与えられ
ていないことを確実にしなければならない。裁判官に犯行意志があったか
どうかという疑問について判断してもらうようにする。精神科医が何が善で
悪かについて非合理な考えをもたらす前に。

4 精神科医や心理学者から、警察や刑務所、犯罪更生、そして保護司の助言者
や相談役としての地位を剥奪する。精神科医の主張には科学的な根拠がない
からである。彼らに、薬物中毒者、犯罪行為、そして非行について意見を
述べさせたり、治療させてはならない。また危険な行動と主張されるものの

5
調査をさせてはならない。

精神医学における電気ショック、脳外科手術、または害のある薬物「療法」
によってもたらされたあらゆる身体的な傷害を、犯罪として告発する。

6 精神科医、心理学者、または心理分析医から虐待を受けた人は、精神医療
の現場で自らが受けた、または観察した暴力、詐欺、または犯罪事件の全て
について警察に報告し、訴状のコピーをCCHRにまで送っていただきたい。

勧告
司法を蝕む
24

JUSTICE-after japanes-part2.indd 24 4/8/05 3:56:39 PM

 声明文
市民の人権擁護の会
当会は、精神医学における人権侵害を調査し、摘発します。同じ目的を分かち合う
団体や個人とともに働き、その目的とは、精神保健の分野を正常化するということ
です。そして、精神医学の暴力的、そして強制的な実勢がなくなり、人権と品位が
全ての人々の手に取り戻されるまで、この活動は続きます。

デニス・コーウェン 見を提出し、精神保健に関して大衆の認識をあ
合衆国 健康保険詐欺に関する調査員 げ、よりよく、より公正で、より効果的な制度
「精神保健の分野における詐欺的で、有害 をもたらすために、効果的な活動に参加してい
な実践を摘発するために弛まず働いてきた市民 る他の人たちを励まし、活性化させてきた。」
の人権擁護の会を称える。CCHRの職員は献身的
な人たちである。彼らの専門知識、出版物、
そして報告書は、精神保健における詐欺やその クリス・ブライトモア
制度の中のあらゆる犯罪活動を調査しているど 英国 元市警 警視正
んな調査員にとっても、役に立つものである。 「私は、悪意のある、さらには見当違いの
CCHRの仕事、そして資料はまた、精神保健の詐 精神科医が、もしその活動が注意深く監視され
欺や虐待の度合いと、彼らも犠牲者になる可能 ていなければ、どれほど邪悪になるかを痛いほ
性について消費者や大衆に知らせている。」 ど認識している。C C H R は見事に重要な役割を
担ってきた。2001年5月、私は、 ロサンゼルスの
ロバート・ブッチャー C C H R 展示会において、
『詐欺』のセクションの
ウェスタン・オーストラリア 弁護士 開会式を執り行う喜びと特権を得た。そして、
「私は1980年以来、ずっとCCHRとともに活 その展示会を見学し、私はかつてない感銘を
動しており、彼らが献身的な団体であることを 受けました。そして、CCHRが成した業績を見回
知っている。しばしば、重要な共同体からの情 して、なぜ何人かの精神科医が、この団体の
報もなしに、法律が可決されることがある。 発展について異常なほどに恐れているのかが
CCHRは、精神保健の法律に関して、決してこの わかった。」
ようなことが起こるのを許してこなかった。
CCHRは精神保健の法律の改善に関して政府に意

より詳しい情報をお求めの方は下記にまでご連絡下さい。
CCHR International
6616 Sunset Blvd.
Los Angeles, CA, USA 90028
Telephone: (323) 467-4242 • (800) 869-2247 • Fax: (323) 467-3720
www.cchr.org • e-mail: humanrights@cchr.org

JUSTICE-after japanes-part2.indd 25 4/8/05 3:56:39 PM

 市民の人権擁護の会国際本部

市
民の人権擁護の会（Citizens す。とりわけ、以下の条項に従っています。これら
Commission on Human Rights）は1969年 を精神科医は毎日違反しています。
に、精神保健の分野における精神医学 第3条：すべて人は、生命、自由及び身体の安全に対
的な人権侵害を調査し、摘発し、その する権利を有する。
分野を正常化するために、サイエント
ロジー教会により設立されました。現 第5条：何人も、拷問又は残虐な、非人道的な若し
在、31カ国に130以上の支部と、理事 くは屈辱的な取扱い若しくは刑罰を受けることはな
と呼ばれる諮問委員会を抱えています。その中には い。
医師、弁護士、教育家、芸術家、企業家、そして公 第7条：すべての人は、法の下において平等であり、
民権や人権の代弁者がいます。 また、いかなる差別もなしに法の平等な保護を受け
CCHRは医学的、または法的な助言を与えることはあ る権利を有する。すべての人は、この宣言に違反す
りませんが、常に医師と医療の実践と協力し、それ るいかなる差別に対しても、また、そのような差別
らを支持します。CCHRの主要な焦点は、精神医学に をそそのかすいかなる行為に対しても、平等な保護
おける不当で主観的な「診断」です。それには科学 を受ける権利を有する。
性に欠けており、医療的な利益に欠けています。し 精神科医の虚偽の診断、レッテル貼り、強制収容の
かも、何十億ドルという金銭的な利益を得るために 法律、暴力的で、人の個性を奪う「療法」により、
その診断は利用されています。その金銭はほぼ納税 多くの人々が傷つけられ、生来の人権を奪われてい
者や保険業者により支払われたものです。これらの ます。
虚偽の診断に基づき、精神科医は、生命を危機に晒 CCHRは立法聴聞会で証言することで、精神医学にお
す療法を正当化し、それを提供します。例えば、そ ける虐待に関する公聴会を開くことで、そしてメデ
の中に含まれるのは、実際に患者が抱える問題を覆 ィアや警察関係局、そして公務員と働くことで、何
い隠し、回復を妨げる抗精神薬の投与です。 百という改善活動を世界中で起こし、組織化してき
CCHRは国際連合の世界人権宣言に従って活動しま ました。

市民の人権擁護の会
26

JUSTICE-after japanes-part2.indd 26 4/8/05 3:56:41 PM


CCHR Australia
Citizens Commission on
Human Rights Australia
P.O. Box 562
Broadway, New South Wales
2007 Australia
Phone: 612-9211-4787
Fax: 612-9211-5543
E-mail: cchr@iprimus.com.au
CCHR Austria
Citizens Commission on
Human Rights Austria
(Bürgerkommission für
Menschenrechte Österreich)
Postfach 130
A-1072 Wien, Austria
Phone: 43-1-877-02-23
E-mail: info@cchr.at
CCHR Belgium
Citizens Commission on
Human Rights
Postbus 55
2800 Mechelen 2,
Belgium
Phone: 324-777-12494
CCHR Canada
Citizens Commission on
Human Rights Toronto
27 Carlton St., Suite 304
Toronto, Ontario
M5B 1L2 Canada
Phone: 1-416-971-8555
E-mail: officemanager@on.aibn.
com
CCHR Czech Republic
Obcanská komise za
lidská práva
Václavské námestí 17
110 00 Praha 1, Czech Republic
Phone/Fax: 420-224-009-156
E-mail: lidskaprava@cchr.cz
CCHR Denmark
Citizens Commission on
Human Rights Denmark
(Medborgernes Menneskerettigh
edskommission—MMK)
Faksingevej 9A
2700 Brønshøj, Denmark
Phone: 45 39 62 9039
E-mail: m.m.k.@inet.uni2.dk
CCHR Finland
Citizens Comission on
Human Rights Finland
Post Box 145
00511 Helsinki, Finland
JUSTICE-after japanes-part2.indd 27
CCHR National Offices
CCHR France
Citizens Commission on
Human Rights France
(Commission des Citoyens pour
les Droits de l’Homme—CCDH)
BP 76
75561 Paris Cedex 12 , France
Phone: 33 1 40 01 0970
Fax: 33 1 40 01 0520
E-mail: ccdh@wanadoo.fr
CCHR Germany
Citizens Commission on
Human Rights Germany—
National Office
(Kommission für Verstöße
der Psychiatrie gegen
Menschenrechte e.V.—KVPM)
Amalienstraße 49a
80799 München, Germany
Phone: 49 89 273 0354
Fax: 49 89 28 98 6704
E-mail: kvpm@gmx.de
CCHR Greece
Citizens Commission on
Human Rights
65, Panepistimiou Str.
105 64 Athens, Greece
CCHR Holland
Citizens Commission on
Human Rights Holland
Postbus 36000
1020 MA, Amsterdam
Holland
Phone/Fax: 3120-4942510
E-mail: info@ncrm.nl
CCHR Hungary
Citizens Commission on
Human Rights Hungary
Pf. 182
1461 Budapest, Hungary
Phone: 36 1 342 6355
Fax: 36 1 344 4724
E-mail: cchrhun@ahol.org
CCHR Israel
Citizens Commission
on Human Rights Israel
P.O. Box 37020
61369 Tel Aviv, Israel
Phone: 972 3 5660699
Fax: 972 3 5663750
E-mail: cchr_isr@netvision.net.il
CCHR Italy
Citizens Commission
on Human Rights Italy
(Comitato dei Cittadini per i
Diritti Umani—CCDU)
Viale Monza 1
20125 Milano, Italy
E-mail: ccdu_italia@hotmail.com
CCHR日本支部
〒170-0004
東京都豊島区北大塚
2-11-7-7
電話：03-3576-1741
ファックス：03-3576-1741
E-mail: cchrjapan@bpost.
plala.or.jp
CCHR Lausanne, Switzerland
Citizens Commission
on Human Rights Lausanne
(Commission des Citoyens pour
les droits de l’Homme— CCDH)
Case postale 5773
1002 Lausanne, Switzerland
Phone: 41 21 646 6226
E-mail: cchrlau@dplanet.ch
CCHR Mexico
Citizens Commission
on Human Rights Mexico
(Comisión de Ciudadanos por
los Derechos Humanos—CCDH)
Tuxpan 68, Colonia Roma
CP 06700, México DF
E-mail: protegelasaludmental@y
ahoo.com
CCHR Monterrey, Mexico
Citizens Commission on
Human Rights Monterrey,
Mexico
(Comisión de Ciudadanos por los
Derechos Humanos —CCDH)
Avda. Madero 1955 Poniente
Esq. Venustiano Carranza
Edif. Santos, Oficina 735
Monterrey, NL México
Phone: 51 81 83480329
Fax: 51 81 86758689
E-mail: ccdh@axtel.net
CCHR Nepal
P.O. Box 1679
Baneshwor Kathmandu, Nepal
E-mail: nepalcchr@yahoo.com
CCHR New Zealand
Citizens Commission on
Human Rights New Zealand
P.O. Box 5257
Wellesley Street
Auckland 1, New Zealand
Phone/Fax: 649 580 0060
E-mail: cchr@xtra.co.nz
CCHR Norway
Citizens Commission on
Human Rights Norway
(Medborgernes
menneskerettighets-kommisjon,
MMK)
Postboks 8902 Youngstorget
0028 Oslo, Norway
E-mail: mmknorge@online.no
CCHR Russia
Citizens Commission on
Human Rights Russia
P.O. Box 35
117588 Moscow, Russia
Phone: 7095 518 1100
CCHR South Africa
Citizens Commission on
Human Rights South Africa
P.O. Box 710
Johannesburg 2000
Republic of South Africa
Phone: 27 11 622 2908
CCHR Spain
Citizens Commission on
Human Rights Spain
(Comisión de Ciudadanos por los
Derechos Humanos—CCDH)
Apdo. de Correos 18054
28080 Madrid, Spain
CCHR Sweden
Citizens Commission on
Human Rights Sweden
(Kommittén för Mänskliga
Rättigheter—KMR)
Box 2
124 21 Stockholm, Sweden
Phone/Fax: 46 8 83 8518
E-mail: info.kmr@telia.com
CCHR Taiwan
Citizens Commission on
Human Rights
Taichung P.O. Box 36-127
Taiwan, R.O.C.
E-mail: roysu01@hotmail.com
CCHR Ticino, Switzerland
Citizens Commission on
Human Rights Ticino
(Comitato dei cittadini per
i diritti dell’uomo)
Casella postale 613
6512 Giubiasco, Switzerland
E-mail: ccdu@ticino.com
CCHR United Kingdom
Citizens Commission on
Human Rights United Kingdom
P.O. Box 188
East Grinstead, West Sussex
RH19 4RB, United Kingdom
Phone: 44 1342 31 3926
Fax: 44 1342 32 5559
E-mail: humanrights@cchruk.org
CCHR Zurich, Switzerland
Citizens Commission on
Human Rights Switzerland
Sektion Zürich
Postfach 1207
8026 Zürich, Switzerland
Phone: 41 1 242 7790
E-mail: info@cchr.ch
4/8/05 3:56:41 PM
 参照文献
References
1. Thomas Szasz, Insanity: The Idea and Its Consequences (John Wiley & Sons,
New York, 1990), p. 239.
2. “Table 4.18—Arrest Rates (Per 100,000 Inhabitants) for Violent Crimes,”
Sourcebook of Criminal Justice Statistics 1993, Bureau of Justice Statistics, U.S.
Department of Justice, p. 447; “Section One—Juvenile vs. Adult, Age-Specific
Arrest Rates by Sex, United States—Violent Crime,” Age-Specific Arrest
Rates and Race-Specific Arrest Rates for Selected Offenses 1993–2001, Federal
Bureau of Investigation, U.S. Department of Justice, Nov. 2003, p. 43; “Table
4.33—Arrest Rates (Per 100,000 Inhabitants) for Drug Abuse Violations,”
Sourcebook of Criminal Justice Statistics 1993, Bureau of Justice Statistics, U.S.
Department of Justice, p. 457; “Section One-Juvenile vs. Adult, Age-Specific
Arrest Rates by Sex, United States—Drug Abuse Violations,” Age-Specific
Arrest Rates and Race-Specific Arrest Rates for Selected Offenses 1993–2001,
Nov. 2003, Federal Bureau of Investigation, U.S. Department of Justice, p. 49.
3. Eli Lehrer, “Crime Without Punishment,” The Weekly Standard, Vol. 007,
Issue 22, 27 May 2002.
4. J.F.O. McAllister, “A Shock to the System,” TIME Magazine, 24 Nov. 2002.
5. Op. cit., Eli Lehrer.
6. Kasia Malinowska-Sempruch, “Prisons, the Stage for Dramatic Growth of
HIV,” Harm Reduction News, Vol. 2, Issue 1, p. 5.
7. G. Brock Chisholm, “The Reestablishment of Peacetime Society: The
Responsibility of Psychiatry,” William Alanson White Memorial Lectures,
Second Series, First Lecture, given on 23 Oct. 1945, Psychiatry: Journal of
Biology and Pathology of Interpersonal Relations, Vol. 9, No. 1, Feb. 1946, p. 9.
8. “An Appreciation of Critique” by Dr. Samuel W. Hamilton, comments on
the first and second lectures of G. Brock Chisholm’s “The Reestablishment
of Peacetime Society,” Psychiatry: Journal of Biology and Pathology of
Interpersonal Relations, Vol. 9, No. 1, Feb. 1946, p. 35.
9. John Rawlings Rees, M.D., “Strategic Planning for Mental Health,” Mental
Health, Vol. 1, No. 4, Oct. 1940, p. 103–4.
10. Thomas Szasz, M.D., The Myth of Mental Illness, (Harper & Row, New
York, 1974), pp. 266–267.
11. Edited by Jeffrey Schaler, Szasz Under Fire (Open Court, Chicago, 2004),
p. 201.
12. Margaret Hagen, Whores of the Court, The Fraud of Psychiatric Testimony
and the Rape of American Justice, (Harper Collins, New York, 1997), p. 110.
13. Ralph Adam Fine, Escape of the Guilty, (Dodd, Mead & Company, New
York, 1986), pp. 224–226.
14. Ibid., p. 230.
15. Carol A. Gallo, “The Insanity of the Insanity Defense,” The Prosecutor,
Spring 1982, p. 6.
16. Thomas Szasz, M.D., “Psychiatric Expert Testimony—Its Covert Meaning
and Social Function,” Psychiatry, Journal for the Study of Interpersonal
Processes, Vol. 20, No. 3, Aug. 1957, p. 314.
17. Op. cit., Margaret Hagen, p. 165.
18. Benjamin Rush, M.D., Medical Inquiries and Observations Upon the
Diseases of the Mind (1812) (Macmillan-Hafner Press, New York, 1962).
19. Karl Menninger, M.D., The Crime of Punishment (The Viking Press, New
York, 1966), pp. 120–21.
20. “Robinson Remembers 30 Years of APA,” Psychiatric News, 16 Nov. 1979.
21. Thomas Szasz, M.D., The Manufacture of Madness (Harper & Row,
Publishers, New York, Evanston, and London, 1970), pp. 227, 317.
22. Website of the Bazelon Center, Internet address: http://www.bazelon.
org/about/judgebazelon.htm.
23. Michael McCubbin and David Cohen, The Rights of Users of the Mental
Health System: The Tight Knot of Power, Law, and Ethics, presented to the
XXIVth International Congress on Law and Mental Health, Toronto,
June 1999.
24. Thomas Szasz, M.D., Psychiatric Slavery (Macmillan Publishing Co., New
York, 1977), p. 116–118.
25. Alfred K. Baur, M.D., “Legal Responsibility and Mental Illness,”
Northwestern University Law Review, Vol. 57, No. 1, Mar.–Apr. 1962.
26. Alan Abrahamson, “Menendezes’ Therapist Accused of Misconduct,”
Los Angeles Times, 24 July 1993; “The Menendez Brothers: The First Trial,”
Internet address: http://www.crimelibrary.com/menendez/menendezfirst.
htm, accessed: 18 Aug. 2002; “The Menendez Brothers: Summer of 1989,”
Internet address: http://www.crimelibrary.com/menendez/menendezsum-
mer.htm; “The Menendez Brothers: Aftermath,” Internet address: http://
www.crimelibrary.com/menendez/mendezafter.htm, accessed: 18 Aug. 2002;
“Court TV Casefiles: Menendez,” Internet address: http://www.courttv.com/
casefiles/menendez/summaries/ts15.html, accessed: 18 Aug. 2002;
“CNN—News Briefs—Jan. 26, 1996;” Internet address: http://www.cnn.
com/US/Newsbriefs/9601/01-25/pm.html, accessed: 18 Aug. 2002; “The
Menendez Brothers: Punishment,” Internet address: http://www.crimelibrary.
com/menendez/menendezpunish.htm; “That Killer Smile,” TIME, 7 Feb.
1994.
27. Dr. Tana Dineen, Ph.D., Manufacturing Victims, Third Edition (Robert
Davies Multimedia Publishing, Quebec, Canada, 2001), p. 86.
28. Op. cit., Margaret A. Hagen, p. 20.
29. David Brearley, “Judges Weigh Psychiatric Bias,” The Australian,
17 Jan. 2000.
30. David Faust and Jay Ziskin, “The Expert Witness in Psychology and
Psychiatry,” Science, Vol. 241, 1 July 1988, p. 32.
31. George McEvoy, “Oddfather’s Crazy Act Too Good to Be Fake?” Palm
JUSTICE-after japanes-part2.indd 28
Beach Post, 12 Apr. 2003; Andy Newman, “Word for Word/Mob Psychology;
Analyze This: Vincent Gigante, Not Crazy After All Those Years,” The New
York Times, 13 Apr. 2003.
32. Op. cit., Tana Dineen, p. 155.
33. Ibid., pp. 155–156.
34. “133-Year Prison Sentence for Cone,” Daily Quill, 11 Feb. 1998.
35. Op. cit., Tana Dineen, p. 157.
36. Thomas Szasz, “Sins of the Fathers, Is Child Molestation a Sickness or a
Crime,” Reason Online, Aug. 2002, Internet address: http://www.reason.com.
37. Gene Kassebaum, David Ward and Daniel Wilner, Prison Treatment and
Parole Survival: An Empirical Assessment (John Wiley & Sons, Inc., New York,
1971), pp. 57, 59, 285 and 287.
38. D.G. Workman and D.G. Cunningham, “Effects of Psychotropic Drugs
on Aggression in a Prison Setting,” Canadian Family Physician, Nov. 1975,
pp. 63–66.
39. Robert Whitaker, Mad in America: Bad Science, Bad Medicine, and the
Enduring Mistreatment of the Mentally Ill (Perseus Publishing, New York,
2002), p. 186.
40. Ibid., p. 188.
41. Anna Maria Daderman, “Flunitrazepam and Violence—Psychiatric and
Legal Issues,” Department of Clinical Neuroscience, Occupational Therapy
and Elderly Care, Research Division of Forensic Psychiatry, Karolinska
Institute, Sweden, 2000, p. 43.
42. Charles Medawar, “Antidepressants Hooked on the Happy Drug,” What
Doctors Don’t Tell You, Vol. 8., No. 11, Mar. 1998, p. 3.
43. Op. cit., Robert Whitaker, pp. 182, 186.
44. “The Effectiveness of Correctional Treatment—A Survey of Treatment
Evaluation Studies,” Praeger Special Studies, 1975.
45. Transcript of Sentencing by the Honourable Associate Chief Justice
Oliphant, Winnipeg, Manitoba, Her Majesty the Queen and Robert Bliss
Arthurson Accused, 7 Oct. 1994.
46. Joseph J. Cocozza and Henry J. Steadman, “The Failure of Psychiatric
Predictions of Dangerousness: Clear and Convincing Evidence,” Rutgers Law
Review, Vol. 29, No. 5, Late Summer 1976, p. 1099.
47. Op. cit., Margaret Hagen, 165, citing Terrence W. Campbell, “Challenging
Psychologists and Psychiatrists as Witnesses,” Michigan Bar Journal,
Jan. 1994.
48. Op. cit., Cocozza and Steadman, pp. 1099–1100.
49. “Diet Mulls Fate of Mentally Ill Criminals,” The Japan Times, 8 June 2002.
50. Kelly Patricia O’Meara, “Has Psychiatry Gone Psycho?” Insight,
26 Apr., 1999, p. 17.
51. Kenneth S. Pope, “Sex Between Therapists and Clients,” Encyclopedia
of Women and Gender: Sex Similarities and Differences and the Impact of
Society on Gender (Academic Press, Oct. 2001).
52. Paul E. Garfinkel, M.D., et. al., “Boundary Violations and Personality Traits
Among Psychiatrists,” Canadian Journal of Psychiatry, Vol. 42, No. 7, 1997,
pp. 758–763.
53. Dr. Raj Persaud, “Sorry Honey, I Did the Shrink,” Sunday Times (United
Kingdom), 28 Mar. 1999.
54. Marianne Funk, “Ex-Psychologist Gets 10-Year Prison Term,” Deseret
News, (Utah), 12 June 1993; “Ex-Psychologist Charged with Rape Says He’s
‘Smear Campaign’ Victim,” Salt Lake Tribune, 12 Feb. 1993.
55. Nick North, “Doc Gets Eight Years for Sex Attacks on Patients,” Daily
Record, Scotland, 11 Dec. 2002; “Court Increases Psychiatrist’s Rape Sentence,”
The Independent (United Kingdom), 29 July 2003.
56. Melvyn Howe, “Jail for Sex Case Psychiatrist,” Press Association,
4 July 2002.
57. “Psychologist Convicted Six Years of Prison for Sexual Abuses,” Urgan
(Denmark), 25 July 2002.
58. Interview with New York State Dept. of Law, Medicaid Fraud Control
Unit, 15 Dec. 1995, regarding 1995 health care fraud convictions and 1992
report, “Special Prosecutor Arrests Westchester Psychiatrist—NY State
Employee—In $8200 Medicaid Fraud,” Special Prosecutor for Medicaid Fraud
Control news release, 6 Feb. 1992; Gilbert Geis, Ph.D., et. al., “Fraud and
Abuse of Government Medical Benefit Programs by Psychiatrists,”
Am. J. Psychiatry, 142:2, Feb. 1998, p. 231.
59. Dean E. Murphy, “S. Africa’s Affluent Criminals,” Los Angeles Times, 8
July 1998.
60. Rex Bowman, “Psychiatrist Gets House Arrest,” Richmond Times-
Dispatch, 9 Apr. 1999.
61. “Strafbefehl gegen Mainzer Klinikdirektor,” Frankfurter Allgemeine
Sonntagszeitung (Germany), 12 Nov. 2000.
62. Melissa Leong, “Doctor Ordered to Jail for Fraud,” The Toronto Star, 7
Aug. 2002; Jane Gadd, “Therapist Cheats OHIP with Imaginary Patients,”
Globe and Mail, 12 Sep. 2000.
63. “Bouwer Loses Murder Appeal,” The Press (New Zealand),
25 June 2002.
64. “Detsky lekar? Zruda! Zavrazdil dite!” Blesk (Czech Republic),
13 Nov. 2003.
65. Op. cit., Margaret A. Hagen, p. 313.
4/8/05 3:56:42 PM
 — —

—
—
—

—
—

—
—
—
—

—
—
—

—
—

—
—

: 1: Don Mason/Corbis; 9: Bettman/Corbis; 9 lower: Bettman/Corbis;

10: LA Daily News/Corbis; 13: Reuters/Corbis; 17: Richard Cummins/Corbis.
© 2004 CCHR (CITIZENS COMMISSION ON HUMAN RIGHTS) CCHR CCHR Citizens Commission on Human Rights
Item #18905-16-Japanese